待つことは

 

ふるさと秋田に帰って母を見るたび、
少女にかえっていくなぁと感じるこのごろ、
そのことと関係あるのかないのか
さだかではありませんが、
母はどうやら待つことが苦手。
床のゴミに気づけば拾い、
台所の窓ガラスにアネコ虫(カメ虫)がいればなにを措いてもつかまえ、
洗うものがあれば溜めずに洗濯し、
父に薬を飲んだかと注意する。
どの行為をとっても
きちんとした性格の現れといって
いえないことはありません。
が、
わたしの感じ方が変わってきたのか、
はたまた母を見てじぶんを振り返ることが多くなったせいなのか、
母の表情や動きを見ていると、
待っている時間がいやなんだろうなぁと見え、
それがそっくり
じぶんにあてはまると感じます。
かつて、
やたらに動きたくなったり
ときに極端に走りたくなったのも、
待つことを避けるためだったかもしれないと思いはじめ、
いろいろなことが思い出されます。

 

・悠々と鳶旋回し夏来(きた)る  野衾