もうせん

 

少しずつ読み進めているドリトル先生シリーズ、
六巻目の『ドリトル先生のキャラバン』に入りました。
原著者ヒュー・ロフティングの挿絵もたのしく、
ゆっくり読んでいます。
わたしが持っているのは、
井伏鱒二訳のもので初版が昭和三十七年。
漢字には、
ほどよくふりがなが付されており、
当時から子どもたちにも読まれたのでしょう。
読んでいて、おや?と思うのは、
「もうせん」
ということば。
「もうせん」は「もう先」で、
いまとなってはもう前のこと、
の意味ですが、
このごろはほとんど使わないのではないでしょうか。
こんなところにも
ゆっくりたっぷりした時間が感じられ、
あらためて、
本っていいなぁと思います。

 

・夏の吾(あ)の重さ失くして居たりけり  野衾