正誤表

 

明日予定されている鼎談の準備のため、
拙著『文の風景 ときどきマンガ、音楽、映画』を読んでいましたら、
いくつか誤りがあることに気が付きました。
「万葉集約四五〇〇首のうちで~」
とすべきところ、
ブログではちゃんと四五〇〇と表記されていたのに、
なぜか五が抜け落ちていたり、
白川静さんの『漢字の体系』からの引用中、
「牡」とすべきところが「牝」になっていたり。
これは、
ブログのときから入力ミスを犯していました。
まだ市場には出ていませんので、
正誤表を用意して本に挟むつもりです。
すでにお送りした方には、追って正誤表を送りたいと思います。
どの本も、
初版のものは誤りがつきもので、
拙著も例外ではないということですが、
すこしがっくりしました。
と。
ただ。
ふと思いました。
本はいいな。
正誤表をつけられるから。
人生となると、そういうわけにはいきません。
あのとき、ああすればよかった、なんであのとき、あんなことをしてしまったんだろう、
後悔は尽きず。
が、
後悔しても始まらないし、
そのときどきで精一杯生きていたとも思いたい、
なので、
振り返れば過ちと思えることも、
正誤表を付けるわけにはいきませんから、
いまのじぶんをつくっている大切な要素の一つなのだと認め、諦め、
記憶にとどめておくしかないようです。

 

・指差喚呼終えて戸外は秋の暮  野衾