森有正のこと

 

大学のゼミの先輩に長谷部さんという方がいました。
専門分野のものに限らず、
よく本を読むひとでしたが、
その先輩から、
森有正の『バビロンの流れのほとりにて』をいただきました。
ながく手元にあったはずですが、
いまその本はありません。
すこしは読んだかもしれないけれど、
最後までは読まなかったと思います。
申し訳ないことでした。
ところが、
アランのものをこのごろ読むようになり、
そうすると、
どうしても森有正が視野に入ってきます。
森有正の〈経験〉が気になりはじめています。
いま手元には、
「バビロンの流れのほとりにて」
をふくむ
五巻セットの『森有正エッセー集成』(ちくま学芸文庫)
があります。
他人事みたいな言い方ながら、
じぶんのいまの興味のありようからいって、
こんどはちゃんと
読めそうな気がします。
これもまた読書、本という経験かなと。

 

・時を超え都も鄙も梅雨茫茫  野衾