生きる力

 

・あと五分あと一分の朝寝かな

突風が日本列島を襲い、
秋田の実家では、
稲の種を蒔いたハウスのビニールがのきなみ剝がされ。
八十五歳の父は、
朝の三時から一睡もせず、
復旧作業に取り掛かり、
七時を過ぎてもまだ終わらない…
と、
電話口の母から聞かされた。
「生きる力をなくしてしまうよ」
父がそうぼやいたと。
近くに九つ下の弟(わたしの叔父)がいてくれるおかげで、
どんなに父の力になっていることか。
助けるの意の「助」は、
且(ショ)が積み重ねることを、
力が加えられることで、
上に力を重ねてたすけることを表す。

・朝寝してけふの予定を反芻す  野衾