Archives : 3月, 2017

パンジー

 

・春眠の味を楽しむ朝ぼらけ

自宅近くの階段そばに一軒の家が建っており、
玄関先にいつも鉢植えの花が咲いています。
四つの鉢に別々の花が植えられてい、
こちらが終わればあちら、
あちらが終わればまたこちらと、
すべての花が終わっているということがありません。
いずれかの鉢の花が咲いています。
先日初めてそこの奥さんと立ち話をしました。
とても喜んでおられました。
今はパンジーが満開。
パンジーのあの模様をじっと見ていると、
だんだんひげを生やしたおやじの顔に見えてくるから不思議。

・春眠や覚めての後の時の砂  野衾

レモン水氷っこ入り

 

・鶯や一番鶏のごとく鳴く

水筒に水と氷を入れ、
生のレモンを絞って持ち歩いています。
人工の匂いに過敏になっているせいか、
香料入りのものが苦手。
会社が入っているビルの係にお願いしたところ、
トイレの芳香剤を無香料のものに
速攻替えてくれました。
ありがたし!
問題は化粧品の匂い。
これはもうどうしようもなく、
マスクで防御するしかなさそうです。

・ふるさとのカッチ山まで霞む頃  野衾

昭和は遠く

 

・田舎駅待合室の春日かな

面白いCDを見つけました。
『春日八郎「三橋美智也を歌う」』
これは聴かずにいられません。
おんな船頭唄、石狩川悲歌、武田節、
リンゴ村から、哀愁列車、古城、センチメンタルトーキョーなどなど。
三橋が歌う時よりテンポを遅くし、
キーも少し下げて歌っているようですが、
いやはや、
これはたしかに春日八郎の歌の世界。
三橋の声がやさしく包み込むような抒情なら、
春日八郎の声は実直な抒情
とでもいえようか。
ことばは意味を持っていますが、
このふたりの声は、
「はあああ」と発しただけで、
色や風景まで見えてくるから不思議です。
昭和は遠く。

・色づきていよよ父なる山笑ふ  野衾

神奈川新聞

 

・田舎駅笑顔ばかりの春日かな

3月19日(日)神奈川新聞「ブックカバー」のコーナーで、
拙著『石巻片影』が紹介されました。
書いてくださったのは自転車記者こと佐藤将人さん。
書き手の意図を深く汲んでくださり、
世界遺産だけが遺産でないことを
改めて思い知らされます。
百年にひとりといわれた教育者斎藤喜博は、
授業とは、
文化を子どもたちに渡すことだと喝破しました。
だれからとは確定できないけれども、
物心ついてから教わってきたもろもろのうち、
震災後にも朽ちないものはあるはずです。

・大鳥の溶けゆく先や春の雲  野衾

知多半島

 

・ブレス切れ転がり帰る春の海

十年にはなりませんが、
それにほどちかく、
知多半島に宿をとったことがありました。
病を得て、
七転八倒の末、
ようやく快方へ向かうか
と思われた時期で、
わたしは家人とふたり、
朝の爽快な気を吸うべく、
浜辺に下りゆっくり気功を始めたのでした。
と、
ぷちっと音がし、
目を開けると、
スギライトのブレスレットの糸が切れ、
紫色の石が砂浜に散らばりました。
白い砂の上に紫の小さな石たち。
拾おうとすれば
拾えたのですが、
ぱあっと散った紫色の石たちを見ているうちに、
そうか帰りたいのか、
と思われ、
海の水に引かれていくままにしました。
ときどき思い出します。

・三々五々公民館の春うらら  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。