昭和は遠く

 

・田舎駅待合室の春日かな

面白いCDを見つけました。
『春日八郎「三橋美智也を歌う」』
これは聴かずにいられません。
おんな船頭唄、石狩川悲歌、武田節、
リンゴ村から、哀愁列車、古城、センチメンタルトーキョーなどなど。
三橋が歌う時よりテンポを遅くし、
キーも少し下げて歌っているようですが、
いやはや、
これはたしかに春日八郎の歌の世界。
三橋の声がやさしく包み込むような抒情なら、
春日八郎の声は実直な抒情
とでもいえようか。
ことばは意味を持っていますが、
このふたりの声は、
「はあああ」と発しただけで、
色や風景まで見えてくるから不思議です。
昭和は遠く。

・色づきていよよ父なる山笑ふ  野衾