革の匂い

 

・田に充つる水に誘はる仕事かな

きのうは病院へ行く日。
そうだ病院へ行こう
って、
武田鉄矢が歌ってたな。
♪手遅れになるその前に~
ってか。
風邪をもらうのを避けるため、
いつも持ち歩く鞄のポケットに入れておいたマスクを取り出し
顔にかけるや、
革の匂いがふわり。
ああこの匂い。
グローブの匂いだああ!
小学生のとき、
親に初めてグローブを買ってもらったときの
わくわくどきどきした興奮がよみがえり、
どっと押し寄せ、
もはや病院どころではありません。
ま、
行きましたけど。
左投げ右打ちのわたしは、
左利き用のグローブで、
右手にグローブをはめて、
左手をグーにし
グローブのポケットをパンパン叩いた。
ああ、
あんときのあの興奮!
イチローも松井も、
子どものとききっと感じたに違いない。
いやはや。
しばらく忘れていました。
と、
さて病院のほうはといえば、
検査はとくに問題なく。
どうもどうもで。

・トゥリュリュリュリュ闇蒼く成し蟇蛙  野衾