母川回帰

 

・朝四時の気温上昇春来る

きっかけは、
神奈川新聞の人気連載コラム「自転車記者が行く」。
それを一冊の本にして印税分を被災地へという企画を、
コラムの著者である佐藤記者と
新聞社に持ちかけたところ、
快諾をいただき、
2010年5月から2011年12月までのコラムをまとめ、
『突撃!よこはま村の100人 自転車記者が行く』を昨年出版しました。
コラムと本と被災地を結ぶアイディアは、
わたしが行きつけの床屋のご主人の一言でした。
「一人で仕事をしているので、
ボランティアに行きたくても行けないのよ」
「自転車記者が行く」では、
こつこつ地道に働く横浜の人が取り上げられています。
本が出来、
本の印税分と春風社としての義捐金を合わせ、
そのおカネを昨年
「石巻日日こども新聞」の子どもたちに届けてきました。
「石巻日日こども新聞」は、
震災から一年が経過した昨年の3月11日に創刊された季刊紙で、
被災地の現状を子どもたちが子ども目線で伝える新聞です。
届けたおカネは、
ちょうど一回発行するだけの印刷代に相当しました。
それで出来たのが「石巻日日こども新聞」第5号、
コチラです。
さらに、
これまでの「石巻日日こども新聞」の内容を佐藤記者がまとめ、
きのうの神奈川新聞に見開きで大きく紹介しています。
コチラです。(リンクは右ページのみ)
鮭は回遊した後、
母なる川に戻ってきますが、
同じように、
横浜で暮らす人びとの思いを伝える新聞が
被災地の人びとと縁を結び形を成し、
それがぐるりと戻って横浜の人びととの縁を結ぶ、
ということになったのではないでしょうか。
子どもたちが大人になるころ、
大人になった子どもたちが
復興の担い手になっているはずです。
「石巻日日こども新聞」を紹介してくれたのは、
石巻出身の写真家・橋本照嵩さん。
春風社のホームページで連載している写真コラム
石巻から」も合わせてご覧ください。
報道写真とはちがう石巻の姿を伝える写真たちを、
いずれ写真集にまとめ刊行する予定です。
今日も橋本さんは石巻で写真を撮っています。

・春なれば下駄を鳴らして歩きたし  野衾