頭上マスク

 

・足の裏抜けてぼっかり春うらら

先日、名古屋に行った折、
家人の姪っ子たちにも会ってきました。
さきちゃんとゆうきちゃん。
小学四年と一年の女子で、
いつも元気はつらつ、
とくに下のゆうきちゃんは、
まるでねずみ花火のごとく
いのちがパチパチ爆ぜてでもいるようです。
二人ともありがたいことに
わたしにとてもなついてくれて、
逢えばいっしょに遊んでくれます。
わたしのなかの子どもが
一気にいのちを吹き返し、
三人トリオとなってメリーゴーラウンド。
電車の中では
わたしのとなりにゆうきちゃん。
何を思ったか、
わたしの被っていた黒い毛糸の帽子を
いきなりさっと取り除けました。
わたしもつられて
さっと、
口にしていたマスクを頭上にずらしました。
帽子を取られ
坊主頭が不意に寒くなり、
とっさに思いついたアイディアで、
それほどのアイディアとも思いませんでしたが、
義理の母をはじめ
車輌中大笑い、
笑いの合唱が起きました。
わたしはもともと目立ちたがりですから、
皆さんに喜んでもらえて
嬉しいかぎり。
わたしも腹を抱えて大笑い。
ああスッキリした。
ああ気持ちよかった。
さきちゃんもゆうきちゃんも笑っています。
春はそこまで来ています。

・いつまでもそこには居ない桜かな  野衾