行きつけの歯医者があり、定期的に通っているのですが、
行くとだいたい「歯間ブラシはどのサイズを使っていますか?」と訊かれる。
訊かれれば「Sサイズ」と答える。
ではありますが、
正直にいうと、
これまで、
あまりまじめに使ったことがありませんでした。
歯科衛生士さんも、それと知って、行くたびに訊いてくるのかもしれない。
根がまじめなはずなのに、
歯間ブラシに関しては、なぜか、まじめになれない。
それは、
歯間ブラシと糸ようじの用途のちがいがよく分からないから、
であります。
歯と歯の間に挟まった食べかすを取り除くなら、
糸ようじでいいジャン、
そう思って、ずっと来ました。
ところが。
歯科衛生士さんに毎度言われるので、
ちょっとまじめにやってみようかな、
と思い直し、
はじめてまじめにやってみた。
そうして、
歯間ブラシと糸ようじでは、体感としてまったく違うことに気がついた。
食べかすを取り除くだけなら、糸ようじで事が済むけど、
歯間ブラシは、
食べかすを取り除くもの
(そのために使っても悪くはないと思うけど)
ではなくて、
実は、
歯と歯の間の歯茎をマッサージすることにむしろ重要な意味があるのではないか、
それを体感、実感しました。
まじめに歯間ブラシを使うようになって、
歯茎が締まって血行が良くなった気がしたもの。
たとえるなら、
ゆるんでいたベルトを締め直し、体がグッと締まった感じ、
とでも申しましょうか。
なので、
直近で歯医者に行ったとき、
担当の歯科衛生士さんにその感想を告げてみた。
そうしたら、
歯科衛生士さん、両の手のひらを合わせ、
「そのとおりでしゅ!」
もとい、
「そのとおりです!」
と、目をキラキラさせた。
だったら、そういうふうに説明してくれれば、オラもまじめにやっていたのに、
とも思ったけど、
そこはおとなですから、
「そうですか。やはり。いや。ありがとうございます」
とだけ応えた。
というわけで、
いまは、いろいろサイズをそろえ、
朝に晩に歯間ブラシによるブラッシングに余念がない。
ルーチンがまた一つ増えた。
・天巡りほうと息つく稲穂かな 野衾