空を飛ぶ夢

 

このブログを始めて25年ちかくなりますので、
同じタイトルであったり、
同じような内容になっていることが間々あると思います。
「空を飛ぶ夢」というタイトルで、以前書いたことまではなんとなく憶えています。
内容は忘れました。
おととい、
テレビを見ていたら「鳥人間コンテスト」をやっていました。
「人力プロペラ機部門」ではパイロットが、
手づくりの飛行機の操縦席でひたすらペダルをこぐ。
ひたすらひたすら、
こぐ。
ぶつぶつ呟きながら、じぶんを鼓舞している。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。
だんだん機体が水面に近くなると、「危ない! ヤバい! もっと上げてもっと上げて!」
などとスタッフから黄色い声の指示がでる。
汗が噴きでる。
やめるわけにいかない。
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。
それを見ていて、
空を飛ぶ夢を、
そうか、このごろとんと見ていないなぁ、と思った。
夢は相変わらず見ているのに。
子供のころから空を飛ぶ夢をときどき見、
夢の中で、あ、飛ぶ夢だ、
なんて思い当たるぐらいになっていた。
崖の上やビルの屋上、険しい山の頂から飛び立つ。コツは肩甲骨をゆるめること。
降下し始めても、あわてずに、自信をもって羽ばたいていると、
地面に叩きつけられることなく、
ふわりと浮上する。
そのときの気持ちのよさったら無い。
そういう夢。
「鳥人間コンテスト」のパイロットたちも、
これからときどき、
夢に見るかもしれないと思った。
空を飛ぶ夢の終りは、
いつも同じ。
どう足掻いても、肩甲骨をゆるめても、気持ちのあり様とかんけいなく、
もはや宙に浮くことができなくなる。

 

・石礫もて川縁の丹波栗  野衾