地産地消

 ひきがえるお前鳴くのは何のため
 このごろは野菜が本来保有するはずの成分が年年目減り傾向にあるそうで、そんなことが原因しているのか、どの野菜を食べても、味が薄まっているような気がします。薄味の野菜に慣れてしまっていますから余計に、帰省して食べた山菜は濃厚かつ美味至極で、山の空気と大地の気までいっしょに取り込んだような具合でした。
 まずはアイコ。アイノコと地元では言ったりします。ギンダラと煮ると美味いんですね。あくの強い山菜にはアブラののったギンダラが合います。タラではだめです。アイコとギンダラを煮ることを、わたしは祖母から教わりました。教わったというか、見ていただけですが。祖母がだれから習ったのかは分かりません。経験的に、これにはこれが合うと覚えたのかもしれません。
 父が山から掘ってきた天然物の山芋でつくったとろろ汁、美味かったぁ!! あれは、どんな高級料亭でも出せない味なんじゃないでしょうか。あれぐらい微妙な味になると、運搬の時間の作用をきっと受けるはずです。地産地消は、山菜のためにある言葉だと思いました。
 向かいの久雄さん(小学校に入る前、風邪をこじらせ高熱を出して入院したわたしを見舞ってくれました。今は長距離トラックの運転手かな。彼も山が大好きで、帰省するとすぐに山に入ります)が山から採ってきたウドを父がもらってきて、母がゴマ和えをつくりました。これまた美味い! 水分を多く含んで谷のせせらぎまで彷彿となります。素材の美味さにはどんな料理も敵いません。

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