1年物ワイン―練功365日

 テロリスト我が家を襲ふ春の夢
 朱剛先生の禅密気功に出合い、教室に通い、自宅で始めるようになって1年が過ぎた。この間、インフルエンザはもちろん、風邪も引かず、肩や腰の調子、内臓の具合もよく、継続することの大切さを身に染みて感じている。今は、気功で始まり気功で終わる1日がうれしい。
 先日、作家の五木寛之と医者の帯津良一の『健康問答 2』を読んでいたら、こんな話が出ていた。
 帯津さんが上海市気功研究所に行ったとき、感動的な動きをする人がいて何年やっているんですかと尋ねたら、40年と答えたそうだ。ところが、近頃、帯津さんはさらにすごい太極拳の名手に出会った。どこがすごいかと言うと、説明できないくらいにすごい!! 宇宙と体が完全に一体化しているような動きをしているものだから、帯津さんが、40年やっているんですか? と尋ねたら、いや、50年やっていると。帯津さんは次のように結んでいる。
「いや、ほんとに、すごいんですね。気功というのは、武術やスポーツとちがって、才能のちがいなんかないんです。また、努力してやればいいってもんでもないんですね。なんというか、ウイスキーを寝かせるのと同じなんですね。やっぱり時間をかけないと。」
 朱剛先生のあの流麗な動きをすぐに思い出した。先生も何十年やってこられて、溜め息の出るような美しい動きを体得された。揺らす、でなく、揺れる。一朝一夕にできるものではないのだろう。
 わたしのは、まだ1年物のワイン。気功をできる日を楽しみつつ、徐々に熟成させていきたい。

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