祭のあと

 夏休みや冬休みが終わりに近づくと、なんとなく淋しくなったものだ。「祭のあとの淋しさは たとえば女でまぎらわし」の歌も知らなかった少年は、宿題といっしょに淋しさもランドセルに詰め込んで登校するしかなかった。今は、なんでも詰め込めるランドセルはない。空を見上げて溜め息をつく。風が頬を撫でる。見上げ過ぎて首が痛くなり青空の青が色を無くす。水平に戻してそれから、意味もなく「さてと…」など言って歩き出す。