忘れるために読む

 

じっさいのところは、読んで忘れた、だけなのですが、
あることから、ん!? 待てよ、
ひょっとしたら、もしかして、忘れるために本を読んでいるのかな、
と思いたくなりまして。
あることとは、4回連続の対談、というか聞き書き。
S先生からお声がけをいただき、S先生が聞き役になってくださり、
問われるままにわたしが語ります。
いずれなんらかのかたちにまとめたいと思います。
すでに2回おこないました。
ぜんたいのくくりは「本のある世界」(仮題)。
1回が2時間から、2時間超。
1時間半ぐらいをめどに、といって始めるのですが、
だんだんノッてきて、時計を見れば、だいぶ超過していることに気づきます。
前もっての台本らしきものはなく、
先生の質問に、
その場でなるべく正直に答えていくわけですが、
話していると、ひょいっ、ひょいっ、
っと、
これまでのさまざまな体験、
あるいは、
そのときどきに読んできた本のことが思い出されてきて、
体験も読んだ本も過去のことなのに、
結びつき方があたらしく感じられ、じぶんでも、
ちょっとおどろきます。
忘れてしまったことが、いわば種となってわたし自身に蒔かれ、
意識の下で根を伸ばし根茎を形成しているような。
それで、
ん!? 待てよ、ひょっとしたら、もしかして、
となりました。
こんしゅう3回目をおこないます。

 

・梅が香やまなこ閉づれば五百年  野衾