悩みについて 3

 

あるていど年をかさねてくると、健康についての悩みがふえてきます。
ともだちと会っての話題も、年々それが多くなります。
健康にかんする悩みも尽きないわけですが、
森田正馬さんの考えを紹介しながら、
帚木(ははきぎ)さんは、こんなことをおっしゃっています。

 

病気か未病か、健康か不健康かで考えるよりも、
病気即未病、健康即不健康というように、「即」をつけたほうが、
より実際の人生に近いのではないでしょうか。
〈健康すぎる病気〉があるのかもしれません。
今は未病でも、いつかは病気になる。
病気とまではいかなくても、半病人くらいにはなる。
たとえ半病人であっても、
健康人らしい顔をして健康人のように生きていれば、
これもまた健康といえるはずです。
本来、人の一生は、健康を守り通すのが目的ではありません。
与えられた命を全うするのが、その人の目的です。
となれば、
不健康であっても構わないはずです。
(帚木蓬生[著]『生きる力 森田正馬の15の提言』朝日新聞出版、
2013年、p.109)

 

なかなかこういう考えを身に付けることはむつかしい気がしますが、
とてもたいせつな考えであると思います。

 

・流れきて流れゆくなり雪解川  野衾