休日出勤しての帰宅途中、ドラッグストアに立ち寄り、キッチンタオルなどを購入し、
それからドラッグストアを出て、
交差点を渡り保土ヶ谷橋へ向かう途上、
近ごろリニューアルオープンしたコンビニに、
立ち寄るべきか、
素通りすべきか、
すこし躊躇っていたところ、
なかから、
目の覚めるような青いドレスを着た背の高い女性が現れ、
クッと90度、身を返し、
保土ヶ谷橋方面へ向かうようでありました。
目鼻立ちがくっきりとしており、
『ひまわり』のソフィア・ローレンをほうふつとさせました。
ドレスの丈、色も、
わたしの想像を刺激するのに一役買ってくれた
ようです。
わたしは、
コンビニに入ることをすっかり忘れ、
磁石に引きつけられるようにして、
青いドレスの女性の後ろを保土ヶ谷橋の交差点に向かって歩きだしました。
女性は、
歩くスピードが速く、
わたしはだんだん引き離されていきます。
と、
女性の右手に何やら握られているのが、
目に入りました。
ん!?
なんだ?
茶色い、四角っぽい、瓶。
わたしは、
歩くスピードを少し上げました。
あ!!
ブルドックソース!!
ん~~~
わけもなく、
なんだか、だんだん愉しくなってきました。
大股で歩いていくソフィア・ローレン似のキリリとした女性の右手に、ブルドックソース。
それだけを持ち。
暮らしがちゃんとここにある、
たとえて言えば、
そんな感じ。
威厳さえ感じられました。
女性は、どんどんわたしから離れていきました。
・曇天破れ垂直の驟雨かな 野衾