梅雨すぎて夏一斉の蝉しぐれ
 休日、気になっていた靴を磨いた。ホーキンス製のもので、これがピタリとわたしの足に合い、以来、二足ずつ買い換えている。気に入ったとなると、なんでもそうだ。この性格、祖父ゆずりかもしれない。
 一度など靴の底に穴が開いたことがある。前や横が剥がれたり破れたりというのはよくあるけれど、底は珍しい。水溜りに入ったわけでもないのに、なぜ、どうしてと、いぶかった。靴底が猫の耳のように薄くなり、透けて見えた。そこからじわりと水が染みてくるのだった。これには驚いた。そこまで穿くかふつう。なんだかその靴がいとおしく感じた。
 磨いた靴をひっくり返し改めて確かめてみた。へなへな感は否めないけれど、まだ買い換えるには早い。靴がフィットすると気持ちまでしゃきっとする。

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