Archives : 6月, 2007

オヤジの喜び

 先日、昔からなじみの店でお茶をご馳走になっていた時のこと。
 このごろよく顔を見せるようになったKちゃんがやって来た。可愛いので、みんな「Kちゃん」と呼ぶ。わたしも、鼻の下が伸びないように気を付けながら、Kちゃんと話したりする。
 それから小1時間もしたろうか。はじめて見る女性が店に入ってきた。Kちゃんとあいさつを交わしている。どうも、知り合いのようなのだ。わたしは、ぽけーと、その様子を見ていた。すると、その女性が「ご主人さまですか?」と、わたしを見て言った。呆気にとられ、きょとんとしているわたしをそのままに、今度はKちゃんに「ご主人さまですか?」と、言葉に出さずに、目で尋ねた。Kちゃんは臆することなく、「ええ、主人です」と言った。うれしかった。生きる喜びがふつふつと湧いてきた。わたしとKちゃんでは、親と子ほどの歳の開きがある。
 その話を後日、店のご主人に話した。ご主人大笑い。いわく、「そりゃあ、うれしいわ。それで10年は寿命が延びたね」。たしかに。

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DPE

 フィルムを出しに、久しぶりに横浜駅南口のヨドバシカメラへ。ところが、以前あった場所にDPEのコーナーがない。辺りを見回しても、それらしき案内が出ていないので、店員に尋ねた。西口の三越があった場所にドでかいヨドバシカメラが出来たが、そこに移ったらしい。さっそくその足で西口店へ。
 ケータイ電話のコーナーがやたら広く取ってあるのは、これが今一番儲かる商売だからなのだろう。ところで、DPEは? DPE、DPE、と。ここで間違いないはずなのに、天井からぶら下げられた案内プレートをいくら探しても、見当たらない。仕方がないので総合案内で訊いてみることに。すると、店を出て左、通路の脇にあると教えられた。店を出た。通路の脇に確かにそれはあった。風前の灯のDPEコーナーが。

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丹田の丹

 東洋医学、気功、呼吸法などでは、よく丹田ということがいわれる。臍下丹田(せいかたんでん)、気海丹田(きかいたんでん)と言ったりもする。場所としては下腹部のあたり。腹式呼吸でもここが重要ポイントのようだ。以前、金さん銀さんも診ていたという名古屋の鍼灸の先生に診てもらったとき、気海丹田が元気の元とおっしゃっていた。
 ところで、丹田の丹とは何か。漢和辞典で調べてみると、?赤色の土。とある。?あか(赤)。あけ(朱)。あかい。とも。要するに、丹=赤。
 意味は分かったけれど、では、なぜ元気の元とされる場所を赤い田と呼ぶのだろう。そこで、赤の字義も調べてみた。すると、「赤」という字は、「大」の下に「火」と書いたものが古い字形で、火がかがやくと大いに燃えることから、火の色、あかの意を表す。とある。
 なんとなくイメージがつながってくる。丹=赤で、赤が火が大いに燃えることを意味するとすれば、元気の元となるエネルギー(赤く燃える)が蓄えられる場所として、赤い田=丹田と呼ぶようになったのではないか。丹心、赤心という言葉もある。まごころという意味になる。

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養生訓

 日本史の教科書に、貝原益軒『養生訓』と、地の文よりも太い文字で確か記されていた。重要な固有名詞で、試験にも出やすいということだったのだろう。そういうキーワードのところだけ緑のボールペンで塗りつぶし、緑の下敷きを当て、教科書を問題集としても使ったりしていた。そんなふうにして覚えたものは、名前しか知らないのに、「養生訓? ああ、貝原益軒ね。接して漏らさずの人でしょ」などと口にし、おのれの愚かさを人前でさらすことになりかねない。
 針灸の治療院の待合室で、たまたま講談社学術文庫の『養生訓』(現代語訳)を見つけ、ぱらぱら頁をめくってみた。ななめ読みするつもりが、つい一行一行読んでいた。こういうことを書いている本だったのかと新鮮な驚きがあった。いのちの根本は、自分のものではなく、天からの授かり物なのだから、生をやしない、人に尽くし、天寿を全うすべきだという考えも、なるほどと思った。

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気功仲間

 このごろはだいぶ気功生活が身に付いてきたのか、何かを見ても、誰に会っても、気功的に見たり感じたりしているようだ(我がことなのに、「ようだ」は変だけれど)。ドストエフスキーの小説を読んだ後で、世の中がドストエフスキー描く小説の法則によって運行しているような気になったり、竹内さんのレッスンに参加した後では、からだごとリフレッシュして、もう一度新しく生きはじめている感じがしたのと似ている。
 教室に通う仲間や近所の人たちも交え、いっしょに練習するのも楽しい。背骨をくねくね動かしていると、みんなお蚕さんになって、桑の葉をぷちぷち食べては白く輝く気の糸を放出しているようで、いつの間にかその場にいい気が満ちている。練習の後の1杯のお茶のおいしいこと。

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。