過ぎたるは

 心は楽しむべし、苦しむべからず。身は労すべし、やすめ過(すご)すべからず。凡(およそ)わが身を愛し過すべからず。美味をくひ過し、芳醞(美酒)をのみ過し、色をこのみ、身を安逸にして、おこたり臥(ふ)す事を好む。皆(みな)是(これ)、わが身を愛し過す故に、かへつてわが身の害となる。又、無病の人、補薬を妄(みだり)に多くのんで病となるも、身を愛し過すなり。子を愛し過して、子のわざはひとなるが如し。
                     (貝原益軒『養生訓』)

46898bb7f3001-070702_0946~01.jpg