Archives : 11月, 2016

中高年

 

・風邪なれば甘え桃缶所望せり

知人から連絡があり、
第二子がめでたく産まれたとのこと、
わたしと同じ誕生月。
わたしも早朝でした。
覚えてはいませんが、
母がそう言っていました。
あれから59年、
長かったような短かったような、
今ではすっかり中高年の仲間入りです。
例にたがわず、
古い友だちに会えば話題はもっぱら健康について。
とりたてて口にしなくても、
みなそれぞれ、
年相応にガタがきているようです。
きのうテレビをつけたら、
志村けんの番組に
加藤茶がめずらしくでていました。
さすがの掛け合いで、
茶さん嬉しそう、
でも、
昔の元気は望むべくもなく、
見ていてちょっとつらかった。
少年は老いやすいなぁ。

・柿とろり唇に着く甘さかな  野衾

寝るのが一番!

 

・冬の朝ここまで汽笛ふたつみつ

肩こり、首こり、頭痛、めまい、吐き気、
でフラフラしましたが、
一日横になり
ひたすら眠っていましたら、
気持ちの悪い痛みやふらつきは収まりました。
ノドの痛みから始まる
いつもの風邪の症状とちがいましたが、
これも別種の風邪なのでしょう。
よく言われることですが、
風邪だと思ったら、
まず寝て休むのが一番のようです。
年も押し詰まってきて
疲れのたまる季節、
みなさまどうぞお体お大事に!

・雨ざらし冬枯れ黒き駐車場  野衾

マスカット

 

・黄葉(もみじ)していよよ凄(すさ)まじ空の青

風邪なのかなんなのか、
たぶん風邪だと思いますが、
体調がすぐれず、
たのしみにしていた新作オペラも聴きに行けず、
一日横になっておりました。
食欲もなく、
何も食べたくなかったのですが、
駅近くのスーパーで売っていたマスカットが目に浮かび、
家人に頼んで買ってきてもらい、
晩ごはんはマスカット。

・冬の朝ながく尾をひく汽笛かな  野衾

ビール替わり

 

・ぼた雪や見えぬ螺旋に従ひぬ

右ひざの痛みは全くなくなりましたが、
大事をとって
しばらくビールはお預け。
しかしそうなると飲みたい欲求がふつふつと。
ビールの何がいいと言って、
味もさることながら、
一口目のあの
ノドごし、
ゴクッ…、ゴクッ…、ゴクッ…、クハーッ!!
ゴクッとやり、
つぎのゴクッまでの間が
至福でありまして。
それに代わるものはと探したら、
ありました。
そう、炭酸水。
けっこうな、
いや相当な刺激、
ビールを飲むときのあの感じに近く。
いま気に入っているのが、
ウィルキンソンの炭酸レモン水。
けして強がりでなく、
しばらくはビール無くてよさそう。

・気がかりのひとつありけり冬木立  野衾

著者恚る!

 

・凩や烏を墜とす布(きれ)のごと

まえに紹介した阿部筲人(あべ・しょうじん)
『俳句 四合目からの出発』(講談社学術文庫)
ですが、
こんなのはダメだと阿部さんが考える句が
ふんだんに取り上げられており、
なるほどなるほどで
たいへん参考になります。
わたしの句も
阿部さんに見せたら木端微塵でしょう。
ところで阿部さん、
ダメ句を紹介しているうちに、
だんだん興奮してきて、
ついに恚りまくった。

「【恋愛俳句】明らかに戦後の現象では、
大っぴらに「愛だ・恋だ」とやることです。だがこの点、戦後派はだめです。
サッカリン的観念語で、ゴム風船ほどの内容もありません。
これを聞いて読者の胸が波立つとしたら、何ともいえない浅薄現象です。
近来の歌謡曲の、さかりのついた犬猫のごとき現象に、
俳句作家が毒されてはなりません。

○水仙にある「純愛」よアイシャドウ

何ですか、これは。言葉だけを知っている痴呆俳句です。
アイシャドウを施した化猫(ばけねこ)のような純愛がありますか」

アハハハ…
阿部さん、そうとう恚っている。
書き言葉から話し言葉になってるもん。
痴呆俳句って。
本人が真剣なればこそ、
読んでるこっちは笑えます。

・凩や黒き雲裂き光来る  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。