注を読む

 

・重なりし雲剥がれゆく秋高し

仏教が教団としてまとまってゆく前の
ブッダの言説を書き記した
『ブッダのことば スッタニパータ』(中村元訳)
を読んでいて
面白い注にぶつかりました。
「盗みをして生活する者」という言葉
についての注で、
そこに、
こう記されています。
「古代インドでは、盗賊が一種の職業と見なされていた。
そうして盗賊と国王とは並べて挙げられている。
どちらも良民から暴力を以て何ものかをゆすり取るからである」
あからさまでない巧妙な暴力を
権力とよぶとすれば、
現代においてもまったく同じ。

・朝寒やはろばろ遠く富士を見る  野衾