秋珈琲

 

・カップ麺両手にくるむ夜寒かな

朝、
このブログを終えたらコーヒー、

内なるルールを決めてい、
さて今週はブラジルとコロンビアの豆です。
が、
書くことを
これと定められないときなど、
なかなかコーヒーブレイクとならず、
気が焦ります。
四季折々に楽しんでいるわけですが、
朝寒夜寒のこの時期、
淹れたてのコーヒーから立ち上る湯気は
その粒々まで見える気がし、
香り、味はもとより、
茶と白のコントラストを
眼で楽しむことができます。
春夏はコーヒーで、
秋冬は少しレトロな珈琲を。
これからお湯を沸かし、豆を挽きます。
膝の調子もだいぶいい。

・朝寒や1°気になる寒暖計  野衾

ゆまり

 

・窓開けて秋風入るゝ友の句集

このあいだ、
寿司屋で俄か句会になったとき、
苦し紛れに、

・あささむのゆまりのあとのふるへかな

と捻った。
ゆまり、ゆばり、いばり。
漢字で書くと尿。
おいしい食べ物を前にして「尿」はない。
そこで、
日常会話では使われない「ゆまり」
を使用。
意味を問われ、
答えを明かせば
同じことではありますが、
そこはそれ、
最初に口にする段の違いあり。
で、
思い出しました。
ことばは、
心情を伝えるよりも、
むしろそれを隠すために使われる。
ウィリアム・サロイヤン
「 哀れ、燃える熱情秘めしアラビア人」
に確か。

・頭陀袋秋を振るはす乳房哉  野衾

秋高し

 

・隧道の秋洗はるゝ新秋津

仕事の打ち合わせで武蔵野線新秋津駅へ。
打ち合わせ終了後、
装丁家・桂川潤さんの計らいで、
長谷川宏先生宅を訪問。
春風新聞へ連載をお願いし、
その度に、
こころ温まる原稿を頂戴していますが、
お目にかかるのは初めて。
少し緊張してお邪魔したところ、
大水のときに拾ってこられた(?)という亀
(とてもよく動く)もい、
亀さん効果か、
リラックスして談笑。
また、
長谷川先生をとりまくオーラが、
『釈譜詳節』の著者・河瀬幸夫先生とそっくりで、
うれしくありがたく思いました。
桂川さん、写真家の橋本さん、
長谷川先生、
淵の森、柳瀬川、
雲ひとつなく。
ながく記憶に残りそうな一日でした。

・新秋津頬を撫でたり風の秋  野衾

ぎったぎた

 

・秋珈琲ンゴロンゴロのタンザニア

きのう、
会社で仕事の打ち合わせをしていたとき、
何気なく、
「ぎったぎた」
という単語をつかっていました。
二度までも。
あとから、
ところで
「ぎったぎた」ってなんだ?
秋田弁?
いや。
秋田でぎったぎたなんて言わないし。
さて。
あきたの「きた」

ぎったぎたの「ぎた」の響き合い?
加藤楸邨の
「鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる」
がイメージとして
あったか。
でもそれよりも、
すっかり忘れていたけれど、
やはり石コ賢ちゃんの
『原体剣舞連』(はらたいけんばいれん)
中の、
「胃袋はいてぎったぎた」
を体が覚えていたのでしょう。
物をつくるには、
胃袋を吐くようなことが
何度も起きます。
dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

・秋高しおんぶ重たきをんな哉  野衾

やっぱり物だなぁ

 

・あふられて元の姿の薄かな

大学出版部協会から季刊ででている
その名も『大学出版』
という雑誌があり、
第108号 [2016年10月1日発行]
の特集は
「装幀を考える」
間村俊一さんの文章が冒頭を飾っておりました。
本を構成するパーツの紹介・説明は、
折々自句を挟み、
後半、
幾分酒が回ってきたか
とも思われ、
楽しく、
ほのぼのとしていながらも、
酔拳のように時に鋭く第一級のエッセイ。
本はやっぱり物であり、
絶滅危惧種であっていいのだと
改めて思わされました。
奇しくも、
今回の『春風新聞』の特集は、
「本は物である」考。

・秋風を聴きて寂しき書(ふみ)をよむ  野衾

閒村俊一句集

 

・やはらかく土沈みけり山の秋

閒村俊一さんの句集、
『鶴の鬱』『拔辨天』を読む。
いいなあと思った句を
まず『鶴の鬱』から、

○二人目ものつぺらぼうなり土手の雪

(「雪」は、下がヨの真ん中の横棒が貫く旧字体)

『拔辨天』から、

○蘊蓄に溺るゝ秋の蠅二匹

○あまのがはぶちまけられし雜魚(ざこ)の腸(わた)

○炎天の鷄(とり)くびられしまゝ步く

○秋時雨遺稿詩集に正誤表

(遺稿の「遺」のしんにょうは、点ひとつでなくふたつの旧字体)

○稻妻や姉から先にする二階

○蟲の秋深くもならぬ仲のまゝ

○喉鳴らす猫とをんなと夏の風邪

濃密、繊細、
ミステリアスでエロチックな、
こんな楽しい句集は初めて。
旧字旧かな活版印刷が、
句の味をさらに盛り立てているようです。
そんな閒村さんから、
『マハーヴァギナまたは巫山の夢』

今回の『カメレオン』

装丁していただきました。

・秋の蚊をつれて息吐く峠かな  野衾

虹の門

 

・いずこよりから揚げの香や秋の夕

高校時代、
陸上部の先輩から、
走るときは肛門を締めて走れと教わりました。
そうすると、
腿が高く上がるから。
そのころはまだ素直でしたので、
以来走るときは、
ひたすら肛門を締めながら
走ったものでした。
たとえば、
吠える犬に追われて走るイメージでしょうか。
さてとっくに忘れていましたが、
一昨日、
NHKの「ガッテン!」で、
頻尿尿漏れ残尿感には
膀胱の柔らかさが関係しており、
膀胱を柔らかくするには
校門の、
いや肛門の
開け閉めが肝心であると。
肛門を五秒締めてはゆるめ、五秒締めてはゆるめる。
それを一日二十回ほど。
思い出した。
加賀谷先輩だ!
陸上部のことですけどね。
それはともかく。
肛門の「肛」と「虹」は似ている。
虹はきれいだけどなぁ。

・天高しソーラン節を美智也かな  野衾

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