ふみゃじぎ

 

・かちかちと餅食ふ父の入れ歯かな

年末年始は秋田に帰省。
齢八十四になった父と差し向かいの晩酌は恒例ながら、
年とともに味わいが増してくるようで。
ついつい酌もすすみます。
いい気分で床に就くや、
加齢プラス酒の利尿作用にて、
深夜、
トイレに立つこととあいなります。
ふとんの温さを逃がさぬよう
着だるま状態で
いざトイレへ。
寝ぼけまなこのまま
摺り足で行って摺り足で戻るのですが、
一瞬足裏が冷やりとします。
田舎の家は広く大きく、
途中、
仏壇が設えられた和室の端に
幅三十センチほどのふみゃじぎが這わせてあり、
そこを踏んでハッと
目が覚める。
冷んやりするのはここだけ。
ふみゃじぎ以外は畳とフローリング。
フローリングには
カーペットが敷いてあるから、
裸足でも冷たくない。
併せて畳の温かさを再確認。
夏に涼しく
冬に温かいのが畳であったよ。
ふとんにもぐれば程もなく夢の中。
ふみゃじぎの発見どこへやら。
ふみゃじぎは
「踏み敷き」だろうか。

弊社は今日が仕事始め。
本年もよろしくお願い申し上げます。

・アラカンの我を映すや母の癖  野衾