八犬伝に源氏!

 

 朝まだき華やかなりし猫の恋

朝読している『南総里見八犬伝』は、
いよいよ第九輯に入りました。
最後の輯とはいうものの、
これが滅法長い。
新潮日本古典集成では十二巻のうち半分がこの輯です。
今読んでいるのは、こんなところ。
義成の娘・浜路姫が妖しい尼僧妙椿の幻術にかかり、
病の床に臥しています。
女房たちが付きっ切りで看病していますが、
仁の玉を持つ犬江親兵衛も義成に命じられ看病に当たり、
隣室で宿直することになりました。
仁の玉は甕に入れ、
浜路姫の部屋の下の土中に埋められました。
長引く看病で手持ち無沙汰になった女房たちは、
女房の一人に源氏物語を読ませ、
聞き入っています。
ここが馬琴先生、上手い!
だって源氏物語ですから、
何やら起こるのでは? と思うじゃないですか。
親兵衛が看病に当たって七日目の夜、
妙椿の幻術にやられた親兵衛は居眠りをしてしまいます。
ちょうどその夜、
なにやら胸騒ぎを覚えた(これも妙椿の幻術による)
義成が姫の部屋に近づいてみると、
居るはずの親兵衛の姿は見えず、
姫の部屋からは男女の睦言が聞こえてきます。
足元を見ると、手紙が落ちています。
拾い上げ文面を読んだ義成の驚きやいかに。
く~っ!
上手い! さすが馬琴先生!
というわけで、
テレビで知っている八犬伝とは大違い。
おもしれーおもしれーの八犬伝なのであります。

 選挙場出でて見上げる桜かな

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