カフカの生涯

 

 ぽかぽかとせいろ天丼花見かな

そういうタイトルの本。
池内紀さんの本です。
そのなかに、
次のような言葉があります。
「第一次大戦中、カフカは奇妙な行動をとっている。
つまり彼は、いかなる奇妙な行動もとらなかった。」
トーマス・マンが「非政治人間の政治的考察」という
時局論文を発表し、
ヘルマン・ヘッセが反戦のペンを執り、
詩人リルケが戦時報道局に勤務しているのに、
カフカは、
「まるきり戦争がないかのようにふるまった」そうです。
「いかなるきわだった行動もとらなかった点で、
このプラハの小官吏兼無名の作家の日常はきわだっていた。」
そんなふうに生きたいとも思いますが、
この国の首長(だけではないですが)の顔を見るたび、
むかむかしてきて、
平常心で居られなくなります。

 見上げれば亡びとともの桜かな

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