読むとき買うとき

 

旧約聖書の「伝道の書」(いまはコヘレトの言葉)は好きな文章で、
そこに
「~するに時があり」
とあります。
天(あめ)が下のすべての事には季節があり、
すべてのわざには時がある。
生(うま)るるに時があり、死ぬるに時があり、
植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり、
と、
いろいろいろいろの
時があることを告げ知らされます。
しかして、
神のなされることは皆その時にかなって美しい…。
モンテーニュが「伝道の書」を愛読していたことを、
日本にモンテーニュを紹介し、
亡くなるまで自己の翻訳に手を入れていたという関根秀雄さんの本によって知りました。
ところで、
本を読むのと、本を買うのも、時がありそうで。
新刊はもとより、
古書でもいまはワンクリックで本を買える時代、
ポチっとやれば
お買い上げありがとうございました、
で、
翌月明細がとどいてアリャリャリャリャ。
たしか以前この日記に、
一生かかって読める分だけの本は買ってしまったから、
あとは蛙に、
もとい、
買わずに読むだけ、
みたいなことを書いた気がしますが、
ああそれなのにそれなのに、
あれからまたずいぶん買い込んでしまった。
なんと言ったらいいんでしょう、
まあ、
ひとつの業とでもいうんでしょうか。
さてあたらしい月になりました。
今月はもうぜったいに買わないぞ!
なんて。
なんだか、
やっぱりダメそうな気がします。

 

・いにしへの伊良湖おもほゆ秋の風  野衾