ひと雨ごと

 

・さざなみや小(ち)さき橋より春の魚

 

関東はきのうもきょうも雨。
きのうは寒かった。
きょうはそれほどでもないですが、
夜中ゴーゴー
暴風が吹き荒れ、
ちょっと怖いぐらいでした。
雨はまだ降っています。
午後からは晴れる見込み。
この時期らしく安定しない天気がつづきますが、
確実に春本番が近づいています。
卒業式、入学式、
門出の時期を迎えます。

 

・プルースト記憶の底の春の午後  野衾

 

こころを歌う

 

・枝離れ弧を描きつつ囀れり

 

あさって十日(土)19時から
日本テレビで
「のどじまんTHEワールド!」が放送されます。
春と秋の二回行われており、
前もって放送日が分かっているときには、
必ず見るようにしています。
機械が評価する歌番組もありますが、
こちらはにんげんが評価します。
またこの番組の最大の特徴は、
番組名にもあるとおり、
日本の歌が好きな外国人が日本の歌を歌って競うところ。
一曲わずか二分ぐらいだと思いますが、
聴いているうちに自然と涙がこぼれてきます。
第13回に優勝したインドネシア代表
ファティマ・ザハラトゥンニサさんの
「ブルーバード」(いきものがかり)もそうでした。
今回、
ファティマさんが仲間といっしょに、
「花は咲く」
を歌うといいますから、
想像するだけで泣けてきます。
たのしみ!

 

・川べりを行きつ戻りつ花万朶  野衾

 

無言タクシー?

 

・肩七寸夫(つま)と妻との朧かな

 

わりにタクシーを利用するほうだと思いますが、
先日テレビを見ていたら、
横浜のタクシー会社で
運転手の無言サービスを始めた会社があると
報じていました。
たしかに、
なんだかんだと話しかけてくる運転手もいて、
もうちょっと黙っててくれないかなぁと
思うときも、
あることはあります。
だからといって、
運転手からは一切話しかけず、
必要な言葉はフリップで
というのは
やりすぎな気がしないでもありません。
少し黙っててくれよ
と不快になる運転手もいれば、
ほんの短い時間ながら、
気持ちの良い会話ができて、
きょうはいい一日だったと思える
そういう運転手もいますから、
タクシーを利用するときは、
そんな出会いに賭けたい気がします。

 

・しばらくは家族と暮らす燕かな  野衾

 

預かり主

 

・春風をまとい少年登校す

 

D・M・ロイドジョンズ著『山上の説教』(上・下)
井戸垣彰訳。
古書でもとめていたものですが、
いま上巻を読み始めたところ。
読むのに支障のない程度に、
赤鉛筆と青鉛筆で多く線が引かれており、
前の読者がこの本に熱心だったことを彷彿とさせます。
上巻奥付の裏には、
H6.3.5(金)再読開始
H6.4.8(金)読了
と記されています。
持ち主の名前までは記されていませんが、
本がこうして読み継がれていくとすれば、
本を持っているということは、
持つというよりも、
預かっているのに近い
という気がします。

 

・アナウンス時間調整春うらら  野衾

 

哲ちゃん

 

・音立てていま盛り上がるふきのとう

 

いまいちばん楽しみにしているテレビ番組が
『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』
充電式電動バイクで旅をする番組で、
ゲスト、ディレクターといっしょに
50ccのバイクで日本各地を旅します。
いっぱいに充電しても
20キロほどしか走れませんから、
充電が切れたところで
お店や民家に飛び込み、
充電させてもらうことになります。
「人情すがり旅」のキャッチフレーズどおり、
老若男女、
その場その場の
ちょっとした人情に触れられ、
見ていてなんともほっこりします。
それを出川さんがうまく演出しているとも言えます。
三日の土曜日は、
唐沢寿明さんと
アンガールズの田中さんがゲストでした。
次回は二十四日。

 

・ぶらぶらと下校も楽し春の道  野衾

 

コーヒーの味

 

・とろとろとまぶた重たき春となる

 

近所のりなちゃんは、
彼女が四歳のときから知っていますが、
今年の四月から
高校二年生になります。
小さいころから家族ぐるみで海に行ったり、
秋田に行ったり、
家族みたいにしてきました。
先日遊びに来たとき、
「わたしもコーヒー飲んでみようかな」
と言いますから、
「どうぞどうぞ」
と、
とびっきりのコーヒーを淹れてあげたところ、
「おいしい!」
よかった。
いままで何度か
コーヒーを飲んだことがあったけれど、
おいしいと思ったことが
なかったそうで。
わたしはもちろん
うれしかったけれど、
りなちゃんも終始にこにこ、
音楽に合わせ、
からだでリズムをとっているのでした。

 

・磨りガラスオルガンの音や春淡し  野衾

 

きょうより三月

 

・春なればまぶた重たき会議かな

 

今週は、
きょうあたりからぐっと気温が上昇するらしく、
きょうの最高気温は21度。
四月下旬の暖かさだと気象予報士の
関口奈美さんが言っていました。
一日の寒暖差が激しく、
エアコンの設定温度をこまめに変え、
仕事に支障をきたさぬようにしています。
さて三月に入りました。
イベントが二つ。
ひとつは11日(日)15:00~16:00、
銀座教文館でのギャラリートーク。
大地の声を聴く 本づくりの現場から」と題し
わたしが話すことになっています。
定員30名で、
参加ご希望の方は事前に教文館にお申し込みください。
(電話:03-3561-8448)
もうひとつは31日(土)
映画『鎌倉アカデミア 青の時代
本編上映は13:00~15:00(開場 12:30)
その後対談15:10~16:10 大嶋 拓(監督)×三浦 衛
会場は横浜市教育会館 4Fホール(春風社の上階)
料金:全席自由 500円
いずれも、
ご興味のある方はどうぞお運びくださいませ。

 

・坂道を転がれ春のあられたち  野衾