コーヒーの味

 

・とろとろとまぶた重たき春となる

 

近所のりなちゃんは、
彼女が四歳のときから知っていますが、
今年の四月から
高校二年生になります。
小さいころから家族ぐるみで海に行ったり、
秋田に行ったり、
家族みたいにしてきました。
先日遊びに来たとき、
「わたしもコーヒー飲んでみようかな」
と言いますから、
「どうぞどうぞ」
と、
とびっきりのコーヒーを淹れてあげたところ、
「おいしい!」
よかった。
いままで何度か
コーヒーを飲んだことがあったけれど、
おいしいと思ったことが
なかったそうで。
わたしはもちろん
うれしかったけれど、
りなちゃんも終始にこにこ、
音楽に合わせ、
からだでリズムをとっているのでした。

 

・磨りガラスオルガンの音や春淡し  野衾