被ばく牛と生きる

 

・ツンドラの地よりここまで凍土踏む

 

すさまじいドキュメンタリー映画『被ばく牛と生きる』
福島第一原発の事故により被ばくし、
餓死した牛が1500頭。
殺処分された牛が1000頭。
殺処分の命令に従わず、
経済的には無価値となった牛を養い
共に生きようとする農民の姿を描いている。
牛飼いにとって牛は
自分のいのちと同等であることがひしひしと伝わってくる。
足尾鉱毒事件、水俣病などの公害を経てもなお、
権力構造は微塵も変わっていないと教えられる。
映画の最後ちかく、
がんばってきた農家のひとりは、
追い詰められ疲弊し、
二十数頭の牛を殺処分せざるを得なかった。
仮設住宅の前に立つ。
「もう、ごろごろして、テレビを見たり、本を読んだりするだけですよ」
の笑いが何とも切ない。
シネマジャック&ベティで二月二日(金)まで。

 

・冬晴れや富士を探して見晴るかす  野衾

 

プチプチ

 

・月曜日あれとこれして冬の月

 

さまざまな用途につかわれている
プチプチですが、
一般的には
気泡緩衝材とかいうそうで、
プチプチは、
川上産業株式会社さんの登録商標。
知らなかった。
とはいうものの、
プチプチのほうが
断然通りがよさそうです。
そのプチプチ、
わが社でもつかっていますが、
専務イシバシ、
プチプチのことを
どういうわけかプカプカと。
社員いずれも
「ああ、プチプチのことをいっているんだな」と
内心思っているのでしょう。
わたしはそのままにしておけない質なので、
「プカプカじゃねーよ。プチプチ!」
イシバシ、
ああそうでしたと笑っていますが、
明日にはまたプカプカと言うに決まっています。

 

・天の気と人の気の春交差せり  野衾

 

床屋

 

・鰰(はたはた)の腹突き破る日本海

 

昼を過ぎてから行きつけの床屋へ。
二週間に一遍では行き過ぎの感がないでもないですが、
顔を剃ってもらわず、
電動バリカンでガーッとやってもらうだけ、
ほかの客がなければ
十五分で済みますから、
さっぱり感を味わいたくて、つい。
きのうは日曜日。
案の定ほかの客はなく、
待ち時間なく所定の椅子に案内され、
「いつもと同じですね」
「はい。おねがいします」
やがて、
「おつかれさまでした」
「どうもどうも」
で千二百円也。
外へ出ればぶるっとなりますが、
気分は早くも春。

 

・飛び出した母の歩みを雪しまく  野衾

 

石原さとみ

 

・大海を映して青き冬の天

 

夢に石原さとみがでてきました。
きれーっ!
かわいいっ!
ちっちゃい!
おにんぎょさんみたい!
いろいろ言ってさわぐのは女子で、
男子はなんとか気をひこうとあの手この手。
ところで石原さとみの「さとみ」
標準語ではフラットに発音しますが、
バナナを秋田ではバナと
真ん中の「ナ」にアクセントがあるように、
さとみは「と」にアクセントがあり、
みになります。
そうすると、
石原さとみが急に
ほっぺたの赤い娘に変身する具合。
んだてが。
んだよ。

「んだてが」は「そうなのか?」の意。
「んだよ」は「そうだよ」

 

・つんのめり車中老老日向ぼこ  野衾

 

二十年目

 

・煩ひは明日に任せよ冬の鳶

 

東京に出る用事がありましたので、
その帰りに、
秋田魁新報東京支社を訪問。
アポなしにもかかわらず
親切ていねいに応対していただきました。
二月二十日からの銀座教文館での春風社ブックフェア、
三月三十一日『鎌倉アカデミア 青の時代』
の映画上映プラス対談等々
について説明。
そのとき指摘されてなるほどと思いましたが、
弊社は1999年10月1日創業で、
ただいま十九期目なわけですが、
創業の年からカウントすると、
たしかに今年は二十年目。
なるほどなるほど。

 

・還暦や塩を控えて帰路の春  野衾

 

雪道

 

・街灯を斜めに撫でる吹雪かな

 

雪は止んでも残った雪が足をすくい、
朝方はどなたもそろりそろり下を向いて歩いていました。
こちらで生まれ育った方は、
慣れていませんから一歩一歩がたいへん。
そこへいくと、
北国生まれの者は、
雪道の歩き方を頭より
からだが覚えていますから、
注意はするけれど、
そんなにたいへんなことはありません。
ただ雪質が違いますから、
過信は禁物です。

 

・溶け始むどなたの作か雪まろげ  野衾

 

雪の写真

 

・大群の雪雪雪の黝きかな

 

この日記に載せている写真は、
ふだんづかいのスマホで撮ったものですが、
寒々した秋田の写真が
ことのほかみなさんに好評です。
新幹線の中から写したものが絵のようであったり、
夕刻散歩がてら写した風景が
青みがかって
独特の風情を醸したり。
きのうは関東全域が雪に覆われました。
何枚か撮りましたが、
写真で見ても
雪の質が違っているようです。

 

・関東を一色にしてぼた雪  野衾

 

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