北上川座談会

 

・風吹くや花粉薬は九層倍

二〇〇五年に出版した写真集『北上川』が
三刷りまで増刷となり、
在庫が少なくなってきていた折、
東日本大震災が発生し、
かつてあったふるさとの姿をとらえた写真集
への引き合いが増し、
完売いたしました。
さらに増刷といったん考えましたが、
「引き合い」の意味を思量し、
郷土史家の協力を得られたこともあり、
撮影年月の場所を付して、
増刷でなく
新版として装いも新たに出版しました。
装丁は、
写真集『石巻』と同じ桂川潤さんです。
事前に、
敬愛する佐々木幹郎さんにゲラを見てもらい、
詩の創作と
座談会への出席をお願いしたところ、
ご多用中にもかかわらず、
快く引き受けてくださいました。
座談会のまえに、
「北上川――橋本照嵩のためのメモランダム」
という詩を寄せていただきました。
すばらしい詩です。
その詩をふまえ、
後日、
春風社で座談会が執り行われました。
座談会の内容が掲載された図書新聞は、
紙面の中央に「北上川」の詩が置かれ(レイアウトがすばらしい!)
四隅に、
宮城県出身の橋本さん、奈良県出身の佐々木さん、
東京都出身の桂川さん、秋田県出身のわたしの顔写真。
北上川は、
岩手県と宮城県を流れる一級河川ですが、
「北上川」の詩が
日本全国を深く深く静かに、
滔々と流れ流れているように見えてきます。
詩とあわせ、
座談会でのそれぞれの発言も
お読みいただければありがたく。
画面を拡大してご覧ください。コチラです。
また、
橋本照嵩『石巻かほく』紙上写真展
の五回目が掲載されました。
コチラです。

・針嘴魚とは俺のことかとサヨリいい  野衾