エラ・フィッツジェラルド
新緑や癒えぬ怒りをいかにせん
このごろ、このCD(下の写真)をよく聴いています。
わたしは、悪い癖だと思っているのですが、女性の場合、小説でも音楽でも、顔が自分の好みに合わないとなると、だいたい避けて通ってきました。だから、いくらいいと言われても、宮本百合子は読みません。田辺聖子もほとんど読まない。
音楽で言うと、ビリー・ホリデーは聴く、アニタ・オデイは聴く、クリス・コナーは聴く、ダイアナ・クラールは聴く、といった具合。聴かないのは、サラ・ボーン、ダイアン・シュア。最たるものがエラ・フィッツジェラルドです。いや、でした。それなのに、このごろはサム・クックと同じぐらいの頻度で聴いています。
顔について、どうでもよくなったというわけではありませんが、声を聴いているうちに、この人はよほど性格のいい人なんだろうなと、勝手に思ってしまいます。そうなると、けしてタイプではありませんが、親しみの持てる顔だなあと思えてくるから不思議です。
性格の悪い人は声に出ます。意地の悪い人は、(タバコの場合もありますが)だいたい声がノドに引っ掛かるんですね。いい声の意地悪な人というのは聞いたことがありません。腹でなにかたくらむと声帯がしぼむとか緊張するとか、そういう体の反応があるのかも分かりません。
とにかく、エラ・フィッツジェラルドの声、歌を聴いていると、いい気持ちになります。音量を大きくするとジャズボーカルの醍醐味を味わえますし、小さくすればしたで、子守歌のようにやさしく包んでくれます。
エラは確かにいいですね。このところ専らブラック・ゴスペルやブルースしか聴かなくあっていますが、エラに引けをとらないのがマリオン・ウィリアムズ。この人の歌唱力とスピリットには圧倒され、元気がでます。日本では輸入盤しかないのかな?台詞の途中で叫ぶあのLittle Richardの小技も実はMarionからのぱくったとか。
>コール先生
お久しぶりです。
そうですか。マリオン・ウィリアムズ。知りませんでした。
その世界では、マヘリア・ジャクソンに匹敵する(超える?)
ゴスペル・シンガーだ、との評もあるそうですね。
今度、聴いてみます。