北上川座談会

 

・風邪の身を他人事のごとながめをり

『新版 北上川』の刊行に先立ち、
昨日、弊社事務所にて座談会を行いました。
事前に詩人の佐々木幹郎さんに詩をお願いしたところ、
「北上川――橋本照嵩のためのメモランダム」
という素晴らしい詩を書いてくださり、
座談会では、
佐々木さんによる詩の朗読から始まり、
『新版 北上川』の
写真に触れての印象と、
そこから生まれる「ことば」について、
まさに
「からだ」と「ことば」が行き交う、
なんともスリリングな会でありました。
につけても、
佐々木さんの「ことば」はよく分かる。
腑に落ちます。
腑に落ち、やがて落ち着き、溶けていきます。
溶けて流れてみな同じ
なわけはありません。
分かることは変わること。
差異が生じる。
日常飛び交う言葉とはちがう
「ことば」
「ことば」によって生かされるとは、
腑に落ちた「ことば」によって生じる
新しい「からだ」
を生きることの謂いです。
参加者は、
佐々木幹郎さん、装丁家の桂川潤さん、橋本照嵩さん、それとわたし。
座談会の模様は、
佐々木さんの詩とともに、
後日『図書新聞』に掲載されます。
乞うご期待!

・洟啜る我も仲間か流行風邪  野衾