次に読む本

 

・道塞ぎ一月のゴミ収集車

いま読んでいる本が全体の半ば近くになると、
次に読む本のことを考えます。
そのときどきの興味関心に従って読むわけですから、
ひょいひょいと、
あまり考えずに手に取ればいいようなものの、
歯の痛みが四方に散るように、
本への興味も
一つというわけには行きません。
振り返れば、
読んできた本の連なりは、
いわばこれまで経てきた精神の地図
みたいなものでしょうから、
そこから抜け出て読もうとすると、
なんとなく
気にそぐわず、
面白くない。
たまに面白い本だなあと思っても、
空に飛んでった風船みたいにそれっきり。
糸がつながらない。
かと思えば、
人から薦められたり
いただいた本で、
地図をさらに拡げたり、
奥行きを増したりするのに効あるものもあり、
そういうときは、
縁を感じて嬉しくなり、
不思議がりながら、
地図の展開を静かに視ています。

・空紫に一月の旭かな  野衾