ダウランドのリュート曲全集4枚組

 

・駅伝の走った道や元の道

長く勤めたN君がほかへ移り、
以後、
CDの取り替えはわたしがやるようになりました。
午前はクラシック、
午後はジャズ、ロック、ポップスなど。
はっきりそうと決めているわけではありませんが、
概ねそんな感じのジャンルわけ。
毎日のことなので、
全部が一枚一枚独立したものだと
選ぶのが相当悩ましい。
それでなくても仕事で悩みが多いのに
(それほどでもないが)
余技のCD選びまで頭を使うのはもったいない。
N君はササッと
こともなげに選んでいたように見えたが、
実際はどうだったろう。
こういうとき、
ドカンと数枚、ときに数十枚のセットもの、
ボックスものはうれしい。
「アルトゥーロ・トスカニーニ・コンプリートRCAレコーディングズ」
なるものを、ただいま午前中かけてます。
これ、全部で八十五枚。
土日は休みですから85÷5=17
一か月五週として三か月半はもつ!
てことは、
その間、考えなくて済む。
が、
午後はそうもいかず、
そのときの気分気分でとっかえひっかえ。
あるときは、ビル・エヴァンス。
あるときは、マイルス・デイビス。
またあるときはビートルズ。
またあるときはザ・ローリング・ストーンズ。
あるときは、バディ・ホリー。
あるときは、サム・クック。
あるときは、ディアンジェロ。
あるときは、トム・ウェイツ。
さて。
午後四時台になると、
だいたい仕事の疲れが出てきますから、
ダウランドのリュート曲全集4枚組のなかから
一枚取り出してかけることが多い。
好きでずっと読んできた人に英文学者・翻訳家の中野好夫さん
がいますが、
中野好夫の葬儀で、
ダウランドのリュート曲を流したと、
お嬢さんの中野利子さんがたしか書いていて、
そんなこともあり、
よけい好きになったのかもしれません。
とても気持ちが落ち着きます。

・待合室開く文庫の意味汲めず  野衾