ウイスキー

 

・自らに誇るもの無し年の暮れ

数年前、
保険会社に勤務するふるさとの後輩と
サントリーの営業部長の三人で飲んだことがありました。
そのとき初めて口にしたのが、
シングルモルト・スコッチウイスキーのラフロイグ。
なんだこれはー!!
でした。
だって、秋田の「いぶりがっこ」
と同じ味なんだもの。
ということで、
学生時代の馬鹿飲みガブ飲み
は措いといて、
旨いものだと感じつつ、
舐めるように
たまに嗜んでいたところ、
ウイスキーとなれば
たとえば詩人の佐々木さんの世界で、
その薀蓄の一端を
うかがっているうちに、
ますます美味しく感じられるようになりました。
いわば、
ウイスキーは、
香り楽しみ舌で味わい喉を揺らし知を愉しむ。
楽しみ愉しむことがまこと大事かと。
老いた口の日を嗜んでいると、
クジラの親子が泳ぐ大海原と
黄金の陽が
すぐそこまでやってくるようです。

・歩の下の銀杏落葉の厚さかな  野衾