秋田さ

 

・なめこ汁ありて華やぐ夕餉かな

子どものころ、
かぞぐで秋田さ行ぐのがいぢばんの楽しみだった。
とうさん、かあさん、おどうとどいっしょに行った。
まだ自家用車が無ぐ、
汽車で。
四人がげのシートの窓際はおらどおどうと。
通路側がとうさんどかあさん。
国鉄の汽車のシートを下がら指でなで上げれば、
白い筋がでぎでおもしろがった。
何度でもやった。
まんぷくしょぐどうではラーメン。
木ノ内デパートのおぐじょうで遊んだ。
きょうはアノラックを買ってもらう。
おらは白いアノラックどバンド。
おどうとは白いアノラックどけり。
白いアノラックはめじらし!
そうやって出がげだものだった。
じいさんも、ばあさんも、いであった。
じいさん、ばあさん思えば、
なだ出でくる。
なんも、なあんも、しんぱい無がった。
んにゃ。
しんぱいはそれなりあったども…。
いまどなれば、
しんぱいまでかがやいで見える。
いまは、
くだらにゃぐはにゃども、
おどなの、
しなければいげないしんぱいが山ほど。
しんぱいごどをこなして日が暮れる。
じぇんこ、かへがねばダメだし。
じぇんこかへぐのたいへんで。
姪っ子のけっこんしぎによばれ、秋田さ帰る。
秋田さ。秋田さ。

・現実をシュルレアリスム強化され  野衾