キリコ展

 

・バス去りて路に一人虫すだく

好きなジョルジョ・デ・キリコの展覧会、
夫人の旧蔵品を中心に約百点、
その八割が日本初公開というので、
さっそく行ってまいりました。
まず。
キリコの顔ですが、
優しい目をしたハイデガーみたい。
垂れ目だし。
歯、イデ(痛)がー?
なんてあきた。
キリコキリコ。
霧子といえばフランク永井。
♪好きだか~ら とてもとてもとて~も♪
霧子のタンゴ。
どうも逸れるんシュルレアリスム。
画集で知っているだけの画がいっぱい。
これ知ってる。
これ知ってる。
これ知らない。
これも知らない。
これ知ってる。
………………
知ってるもの、
画集で見たことのあるものは
少なくありませんが、
印象はだいぶ違います。
色が素晴らしい。
色か。
形は捉えても色は真似られない。
現代の印刷技術をどんなに駆使しても、
たとえば〈噴水のあるイタリア広場〉
や〈吟遊詩人〉の
原画の色を再現できないのでしょう。
色が再現できないということは、
キリコの孤独を再現できないのでは?
色のない孤独はない。

キリコ展は十二月二十六日まで。
東京・汐留ミュージアム。
一般千円。
水曜休館(十二月三、十、十七、二十四日は開館)。

・キリコ展出でて汐留独りキリコ  野衾