アイタタタ~ッ!!

 

・秋風や踵に尖る歩行不可

十五日の午後から
左足くるぶしの下辺りが痛み出し、
だんだんひどくなり、
ひどくなり、
びっこを引かなければ歩けなくなりました。
野戦病院のようなる整形外科へ赴き、
待たされること一時間半、
診察室へ入り、
「よろしくお願いします」
と言うや、
「新潟ご出身ですか?」
「いえ。秋田です」
「秋田ですか。どうされました?」
前日からの痛みの経緯を説明すると、
「ふんふん。ふんふん。ふんふん。ああ、そう。ふん。痛風発作ですね」
「痛風発作?」
「ええ。ふつう親指の根本の辺りが痛くなりますが、
くるぶしの辺も頻度が高いです」
「そうですか」
「処方箋を出しておきますから、
それを飲んで数日安静にしていてください」
診察室を出、
受付に掲示されている証書をみれば、
弘前大学医学部卒業とあった。
はぁそれで、
なまりなつかし新潟ご出身ですかと。
そんなわけで、
十六、十七と約束していた方との約束はすべてキャンセル。
申し訳ないことになってしまいました。
ところで。
事前の問診票の項目に、
「痛みの原因として思い当たることはありますか?」
とありましたから、
「ビール、いか」と書いたのですが、
診察室に入るまでの間、
どうもそのことが気になり始め、
少しぶっきらぼうであったかと反省し、
たものの、
今さら修正するのも
おかしなものだと思ったり、
しているうちに、
だんだん可笑しくなってきた。
「痛みの原因として思い当たることはありますか?」
に対して、
「ビール、いか」は
どう考えても可笑しい!
質問は、
「思い当たること」であって
「思い当たるモノ」ではない。
書くとすれば、
「この夏、ビールと烏賊を過剰に摂取したと思われること」
例えば、そう書くべきでありました。
なんとも粗忽であった。
まさしく後の祭り。
慮るに、
痛みがひどく、
それどころでは全くないのでした。

・好きなれど麦酒と烏賊はいけません  野衾