アッチムイテホイ

 

・呆け居る喧嘩の後の台風過

詩がわからない 詩がわからない
と つまずきなげきあきらめぐぜり
その気持ちは 今もあるけれ ど
あるときから なんでか
なんでだか
詩が気になりはじ め
詩を詩のようなものを
書きはじめた

パソコンにはいった詩のファイルをみたら
二〇一一年一〇月がさいしょで
東日本大震災がおきて七か月がたっていた
福島第一原発事故後の政府の欺瞞嘘八百に愕然とせぬニンゲンがいたらあってみたい
非核三原則のうらで みつやくが あった
沖縄返還のうらで みつやくが あった
みつやくにつぐみつやく
没薬モツ焼きモツ煮込み
アッチムイテホイ
〈いかさぬよう ころさぬよう〉
政《まつりごと》の
いまも変らぬ
〈いかさぬよう ころさぬよう〉
人殺しの呪文

詩の大鍋よ降りてこい 降りてこい
アメリカも ロシアも 中国も
等し並みに われとひとと
入れる 要れる
大鍋よ 降りてこい
拠り所などないのさ
ことばは つつむ
ためにある

詩は 死に 似ている
どちらの 死?
いずこの 死?
詩は他人が書くとJ.N.がいう
果して 死は
帽子の下の烏の足跡
アッチムイテホイ

・大慶や江の島リ・古典秋の空  野衾