コンビ

 

・くるくるり落葉地上に着きにけり

今月20日、
神田神保町にある東京堂書店での
トークイベントでは、
文藝春秋前社長の平尾隆弘さんと
本についていろいろ話すことになっていますが、
編集者として手がけた中から三冊の
思い出深い本を紹介するコーナーもあります。
そのうちの一冊、
平尾さんが取り上げる
三浦佑之著『口語訳 古事記』を読んでいたら、
垢から神さまが生まれる記述があり、
注に参照として昔話の
コンビ(垢)太郎のことが記されていました。
ふるさと秋田をでてから
とんと聞かなくなりましたが、
子どものころはコンビというこの言葉、
よく聞いた気がします。
乾いて側壁に張り付き
なかなか剥がれない垢状のものを、
秋田では、
すくなくとも我が井川町では、
コンビと言っていた。
炊いたご飯が炊飯器に張り付くと、
「コンビ(あるいはコビ)ちだ(着いた)」
尾篭な話で恐縮ですが、
糞コンビもある。
説明しなくてもだいたい
分かっていただけると思うのですが、
要するにクソのコンビ。
怒り心頭、頭にきて、
ひとを罵倒するときなどに、
このクソコンビー!!と叫ぶ
と、
これはもうこれ以上ないぐらいの罵倒言葉なわけです。
なので美奈さん、
いや皆さん、
あまりの理不尽さに頭にきたら、
このクソコンビー!!
と叫んでみてはいかがでしょう。

・駅ホーム客に掃はる蟷螂かな  野衾