ネット書店とリアル書店

 

・襤褸雑巾慈雨と感じて春の雨

今年二月期のアマゾンでの売り上げは、
1,148,220円。
昨年同月が733,308円ですから、
56.6%の伸び率ということになります。
ほかのネット書店の売り上げは
漸増または微増ですから、
アマゾンが飛びぬけています。
リアル書店はどうかというと、
うちは学術書に特化しているといってもいいわけで、
そういう本の売り上げとしては、
同業他社とあまり変らないでしょう。
つまり、
街のちいさな本屋ではほとんど売れず、
棚ぞろえの充実した大型書店でそこそこ売れる。
ならば、
ちいさな書店は
うちにとって意味がないかといえば、
どうもそうではない。
先日、
黄金町にある古書店のたけうま書房さんで
イベントがありました。
本づくりについて話しました。
その場でも本が売れましたが、
後日、
電話での直接注文があり、
並行してネット書店への注文もあったろう
と思われます。
そのことから鑑みるに、
リアル書店はリアル書店の面白さ、
すなわち、
空間を把握し所有または借用している
ことの強みと旨みをとことん発揮し、
お客さんを集めて楽しい好さげなことを探る。
そのことがぼよよ~んと
他へ波及し、
ネット書店で本が売れる売れる売れる、
売れろ。
そういうカタチがいいのでは。
リアル書店は腹をくくり、
本にまつわるイベント会場に徹するゾ、
とか。たとえば。
会場費ビジネス+来てくださったお客さんへの本の販売。
お客さんを入れる箱が箱であることの面白さ、
ってあると思います。

・たかがともされどとも思ふ言葉かな  野衾