愛は

 

・寒き日は近くで食すランチかな

二十日の金曜日から始めて
この連休、
一日一本のペースで四本の映画を観ました。
(金)『マイネーム・イズ・ハーン』
(土)『ルパン三世 VS 名探偵コナン THE MOVIE』
(日)『マンガル・パンデー』
(月)『かぐや姫の物語』
『マンガル・パンデー』は、
『きっと、うまくいく』で主役を務めたアーミル・カーンが、
こちらでも主役を演じています。
『ルパン三世~』は近所のひかりちゃん、りなちゃんと。
ストーリーは息もつかせぬ展開ながら、
ちょっと気になる箇所がありました。
それはルパンが発する「ふ~じこちゃ~ん」
忘れていましたが、
ルパンの声は、
山田康雄でなく栗田貫一。
“クリカン”に変ってから、
もうずいぶん経つのでしょう。
二人よく似ているので、
かえって違いが際だつのかもしれません。
どっちがどうだというつもりはありませんが、
ただ「ふ~じこちゃ~ん」の発声を聴き、
この「ふ~じこちゃ~ん」には
少し、
でなく、
大きな違和感を覚えました。
大げさに言えば、
愛が感じられない。
山田の「ふ~じこちゃ~ん」は、
それが発せられるたび、
ルパンも男だなぁ、
馬っ鹿だなぁ、
しょうもねえなぁ、
と思ったものでしたが、
クリカンの「ふ~じこちゃ~ん」にそれを感じない。
ちっちゃなことだけど、
大事とも思え。
鼻からのヌケが足りないのか、
それともやりすぎなのか。
山田の「ふ~じこちゃ~ん」から、
わたしは愛はノイズでもあると知らされた。
それは、
大盗賊としての生き方にブレを生じさせるけれど、
それによりルパンの性格描写は
さらに深みを増す。
人間の弱さ、
可愛さをふくめ、
「ふ~じこちゃ~ん」を聴いていたのだと、
今回あらためて感じました。
四日で四本観た映画、
共通するテーマは「愛」
でした。

・考えず手のみ動かす師走かな  野衾