塩澤さんから元気をもらう

 出版ジャーナリスト・塩澤実信(しおざわ・みのぶ)さんにお目にかかる機会があり、手料理までご馳走になった。出版と出版人についての血の通った話が面白く、午後3時にうかがって、塩澤さんの事務所を出たのが7時半。
 きのうの午後、塩澤さんから電話があった。よくぞこれほどのものを出しましたね。出版界に身を置きながら、わたしは名前も知りませんでした、と。『新井奥邃著作集』のことだ。筑摩書房の創業者・古田晁について書いた名著『古田晁伝説』の著者からそのように言われ、くすぐったかったけれども、うれしかった。いただいた電話なのに、塩澤さんの温情にほだされ、次から次としゃべりまくった。ベストセラーは欲しいけれど、塩澤さんと話しながら感じていた熱を忘れてしまっては、この仕事にたずさわる資格はないなと改めて思った。

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