脳刺激

 

・天園の紅葉かつ散る峠かな

代理店を通じて去年の秋注文し、
春に入荷したホワイツの靴を、
きのう初めて履きました。
書き初めならぬ
履き初め
歩き初め。
ワークブーツのため
靴底が硬く
しっかりしているので、
歩くごとに踵から脊髄を通って
コツコツ、
脳までそれが
ずんと響いてきます。
はは~。
ふだんあまり感じませんが、
下ろしたてなので、
もろもろ
新鮮に感じられたのでしょう。
中学高校の理科で
生物発生について習いましたが、
たしか
脊髄と脳は
同時にできてくる
のではなかったでしょうか。
受精卵が分割を繰り返し、
さまざまな器官が
爪楊枝で刺したときの
まりも羊羹のごとくに
つぎつぎ現れる生命の不思議。
何度見ても不思議。
妙。
奇天烈。
目が離せない。
あんなに面白いものは
滅多にあるものではない。
交通の便がよくなり
歩くことをあまりしなくなった現代人と
ひたすら歩いた
むかしの人とでは、
考えた結果もさることながら、
考える過程が
そもそも違っていたのではないか、
なんてことを
歩きながら考えました。

・耳澄まし道履む秋の深きかな  野衾