日用の糧

 

・慾去りてこころ楽しも秋の風

聖書「マタイによる福音書」六章には、
祈るときにはこう祈りなさいと
イエス・キリストが言った
いわゆる「主の祈り」についての記述があります。
そのなかに、
「我らの日用の糧を今日も与えたまえ」
という文句があり、
初めて聖書を読んで以来今日まで、
日用の糧とは、
日々口にする食べ物、飲み物
のことだと思ってきました。
それはまちがってないでしょう。
食べずに飲まずに
生きていくことはできませんから。
でも
それだけではないようです。
朝、奥邃(おうすい)を読んでいると、
(朝でないと奥邃の文は分からない気がします)
身が引き締まり、
こころが洗われていくようで、
すっきりとし、
またふつふつと
元気がもどってき、
息が深くなる。
日用の糧。
口にするのは、
食べ物や飲み物だけでなく。
それをいただいて日を暮らす。
その意味で奥邃は
わたしにとって格別です。

・天高し淡きこころの有難し  野衾