習うより

 

・朝寒や旧きパソコンがなりけり

朝、コーヒーを淹れて飲むのが楽しみですが、
挽きたての豆の皮を飛ばすことにより
コーヒーの味がいっそう
引き立つことを知ってからというもの、
せっせせっせ、
挽いたばかりの豆に
ふっ、ふっと息を吹きかけては、
皮を飛ばすようにしています。
外はまだ薄暗く、
部屋から洩れる明かりをたよりに、
ベランダに出てひっそりやっていたのですが、
先週からとみに寒くなり、
厚着してまで外に出るのもいかがかと、
このごろは台所のシンクに向かい、
ふっ、ふっ、ふっ。
始めたころは、
コーヒーの
実まで勢いよく吹き飛ばし、
実も蓋も、
ではなく、
実も皮も
減量させてしまうことも間々ありましたが、
習うより慣れろ
の言葉どおり、
皮だけふっと飛ばすことを
ようやく覚えました。
息の強さと距離が大事。
大きい皮を飛ばすには
割と強めに、ふっ。
小さい細切れの皮を飛ばすには
近づいて
息を殺してやさしく、ふーー。
んー、職人技。
一人合点。
さあて、
今日も美味しいコーヒー飲んでがんばるぞ。

・ひと恋し怒りに火灯す得意技  野衾