ハリガネムシ

 

・秋深し人生五十五年生

家を出て
保土ヶ谷橋へ向かう階段を下りていたときのことです。
右手二段下で
細い線のようなものが動きました。
ん!?
「なんか動いているぞ!」
家人「え!? なに?なに?」
「ほら!」
家人「あ。よく見つけたわね! なにこれ。気持ち悪い!」
「………」
それはまさに曲がった細い線。
というか、
錆びた黒っぽい針金。
針金が
ギギギギギ…と
音立ててくねっているようです。
むむ。
初めて見ました。
ミミズともちがいます。
色も形も動き方も。
ミミズなら
伸び縮みを繰り返しながら前進しますが、
こいつは全身でもがいているとしか思えません。
ははー。
わかったぞ!
ハリガネムシとかいうものだな。
そうにちげえねえ。
横浜駅まで出かけ
用を済ませ、
家に帰ってさっそく調べたところ、
まさにそいつはハリガネムシでした。
五十過ぎて初めて見ました。
感動!

・コンビニの弁当のよな俳句かな  野衾