不忘

 

・等間隔にひとやひとやと彼岸花

保土ヶ谷駅で電車を降り、
国道一号線沿いを保土ヶ谷橋へ向かいながら
ぷらぷら歩いておりました。
午前の雨が上がり、
空気がこころもちスッキリしたようです。
カウンターだけの焼き鳥屋あり、
このごろとんとご無沙汰のコットンクラブあり、
わたしと同年齢のなべちゃんが経営する
グラン・ブルーあり。
ひょいと覗くと、
いつものY姐さんが
ドアのそばのいつものカウンターに。
Yさんきょうも来ています。
ここまでは
昨日ここに書いたこととほとんど同じに
進行しました。
思うことまで同じです。
が、
身の程を知ったわたしはこころに念じます。
五十肩五十肩五十肩五十肩……。
仮にYさんと目が合っても
今度は手を挙げずにお辞儀をしよう。
そうしよう。
そろりそろり二歩三歩。
通り過ぎようとしま…。
と、
Yさんこちらを振り向かず。
ほ。
お辞儀することもなく、
そうっと息を殺して店の前を通り過ぎました。

・鳶注意北鎌倉の秋深し  野衾